これは、富士ヒルクライム(以下、フジヒルという)という日本最大規模のヒルクライムイベントで「フジヒルシルバー」を目指し、様々なトレーニング方法にちょこちょこ手を出し、継続できず毎回”なあなあ” なトレーニングを重ねている私が、新たにトレーニング方法を模索し検討した末にたどり着いたトレーニングプランを長期に実践していき「フジヒルシルバー」を取得するまでの備忘録である。

とにかく継続する。それが重要
よくある効率的なトレーニングとは
フジヒルクライムでシルバーを狙うためには、効率的な練習方法をしっかりと理解し実行することが重要となります。まず、基本的なトレーニングとして上げられるのはSST・FTPトレーニングやVO2MAXインターバルです。SST・FTPトレーニングは、持続的な高強度ワークアウトで自身のFTP(Functional Threshold Power)を上げるのにとても有効とされています。
また、VO2MAXインターバルトレーニングは、高強度のインターバルを取り入れることで、心肺機能を向上させることが期待され、これによりレースでのペースの上げ下げにも対応できるようになります。
さらに、長時間の登坂トレーニングなど、特に標高の高い環境での練習。加えて適切なレストを設けること。
それらを長期に渡り計画的にトレーニングを重ねていくことが効率的で重要だと考えられています。
実際にフジヒルでシルバーを取るためには、かなりのペースが要求されます。具体的には平均速度は約19km/h以上が目安となります。これは高強度で持続的にパワーをかけ続ける必要があり、相当なトレーニングが必要です。シルバーホルダーは本当に速いんです。
あえてVO2MAXインターバルトレーニングのみで挑戦
VO2MAXインターバルトレーニングだけに集中してシルバーを目指す挑戦は少し異例と言えますが、それもまた一つの方法です。VO2MAXインターバルトレーニングは、短時間でL5強度(概ね5分間で全力を出し切る強度)と低強度有酸素を繰り返す練習方法であり、持続的な高強度ワークアウトによる心肺機能の向上と、レースペースに対する適応力を短期間で高めることが期待でき、このトレーニングだけも、十分に対策が可能なのか自身の身をもって検証したいと思います。
しかしながら、実際のヒルクライムに必要なパワーだけでなく、長時間の持久力も兼ね備える必要があるため、長丁場のレースに耐えられるかといった点も考慮しなければなりません。
世間一般的にヒルクライムをターゲットにした場合、SSTやFTPトレーニングを中心に積み重ねる方が効率が良いを言われているが、トレーニング時間が長くなりがちで、自分の性格からして、さぼり気味になって中途半端で終わることが多い。
また、結果が見えやすいのもVO2MAXインターバルの良いところであり、毎回のトレーニングの達成感じやすく、総じて、持続的なモチベーションの維持も期待できます。
そういったこともあり今回は比較的に短時間で強度の高いVO2MAXインターバルのみとし、意地でも継続したい。それが一番大事。
月間走行距離の目安と練習量の可視化
フジヒルシルバーを狙うためには、練習量と月間走行距離のバランスも大切かと。月間走行距離は最低限でも500km以上を目安とし、この距離を必達とする。
また、トレーニングの負荷を数値として可視化し適切に管理するため、CTL(Chronic Training Load)とTSS(Training Stress Score)を特に意識していく。
このCTLは長期的なトレーニング量を示し、TSSは一回のトレーニングでどれだけの負荷がかかったかを数値化したもので、具体的に言うと、TSSは一回のトレーニングで得られる疲労度を示し、これを積算していくとCTLが形成されます。
例えば、週に300-400 TSSのトレーニングを3週間続けた場合、その週間の平均TSSがCTLとなります。これらの数値を可視化することで、日々のトレーニングがどれだけ体に負荷をかけているかを把握できるなど、トレーニングの効果を最大限に引き出し、事故の少ない持続的な練習体系を構築したい。
フジヒルクライムでシルバーを目指すためのVO2MAXトレーニング計画
フジヒルクライムでシルバーを目指すためには、しっかりとしたVO2MAXトレーニング計画が必要で、今回、私が選んだ具体的なトレーニングプランとその実施方法について紹介します。
[day01]
① Vo2max計測TT:8m(100%)
[day02]
① 20m:20%
② 10*(30s+30s):100%/50%
③ 30m:40%
[day03]
① 10m:20%
② 3*(5m+10m):90%/50%
③ 5m:40%
[day04]
① 20m:20%
② 6*(40s+20s):95%/50%
③ 4m:40%
④ 6*(40s+20s):95%/50%
⑤ 4m:40%
⑥ 6*(40s+20s):95%/50%
⑦ 14m:40%
[day05]
① 10m:20%
② 20*(15s+15s):100%/50%
③ 10m:40%
[day06]
① 10m:20%
② 5m:70%
③ 3m:75%
④ 2m:80%
⑤ 5*(30s+30s):100%/50%
⑥ 5m:50%
⑦ 5*(30s+30s):100%/50%
⑧ 5m:50%
⑨ 5*(30s+30s):100%/50%
⑩ 5m:50%
⑪ 5*(30s+30s):100%/50%
⑫ 5m:40%
[day07]
① 10m:20%
② 5m:70%
③ 3m:75%
④ 2m:80%
⑤ 10m:60%
⑥ 15*(30s+30s):100%/50%
⑦ 15m:40%
[day08]
① 20m:20%
② 3*(5m+3m):80%/50%
③ 16m:40%
[day09]
① 15m:20%
② 50m:RACE
③ 10m:20%
[day10]
① 10m:20%
② 5*(30s+30s):100%/50%
③ 10m:40%
[day11]
① 15m*20%
② 6*(3m+2m):85%/50%
③ 15m:40%
[day12]
① 12m:20%
② 3m:80%
③ 3m:50%
④ 2*(3m+3m):100%/50%
⑤ 10m:50%
⑥ 2*(3m+2m):80%/50%
⑦ 10m:40%
[day13]
① 20m:20%
② 5m:85%
③ 5m:50%
④ 10m:40%
[day14]
① 20m:20%
② 8*(30s+30s):100%/50%
③ 7m:50%
④ 8*(30s+30s):100%/50%
⑤ 7m:50%
⑥ 15*(30s+30s):100%/50%
⑦ 10m:40%
引用:「短時間 効率的サイクリング・トレーニング~少ない練習量でパフォーマンスを最大化するためのヒント~」-ジェスパー・ポンド・メデュス-(OVERLANDER株式会社)第5章
これらVO2MAXブースタープログラムを平日に14日、日にSSTやテンポ走などのフリーライドを6日、レストを7日、VO2MAX測定TTを1日で計30日を1セットとして繰り返す。
なお、3週間トレーニングの最後にVO2MAX測定TTを行い、その数値を持って次回プログラムの基準とし漸進性過負荷を踏まえた長期トレーニングプランとしていきます。
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